サムライの生活と一命
2012年04月28日
- 時代劇 と言えば
刀を抜いての いわゆる チャンバラ
がほとんどですが
サムライの世相や生活に踏み込んだ
重い作品に仕上がっています
この作品の中では
サムライというより
浪人の話なんですが
時は 戦国の世も終り
泰平の時代
武勲で 領主に召抱えられる事もななり
当時 おびだだしい数の 旗本 御家人
が役職に就けず サムライが失業
つまり 浪人 しました これを 無役(むえき)
とも呼び サムライにとって これ程の
つらいことも無かったんです
サムライは 身分ですが 使える 殿がいなければ
いけないのです 腰につけた刀は 身を守るものではなく
主君を守る為だったんですから
当時幕府も出来るだけ多くの者を役職に就かせる為
俗に 三日勤めと言って
二日勤めて 一日休む 当直 非番制
朝 昼 番の シフト制を行ったりしたんですが
それでも 役職にありつけないものが 実に多かったんです
役職に就く事を お番入り って言うんですが
無役 でいることは サムライの 恥 としてましたから
誰もが この お番入り を 必死で願ったんだそうです
現代でも 失業問題は いたるところでありますが
この サムライ って 身分は 相当に ややこしく
と言うより その 身分に 相当縛られ ていて
じゃ 食えないんだったら なんか アイデアで商売でも
やったらいい ってわけにはいかないんですね それでは
サムライでは なくなっちゃうんですから
御家人には 御譜代席と 御抱席があり 御譜代席は
世襲制だったんです
でも 御抱席は 一代限りで相続はできず
常に 召抱えの形式で 近親者などがそのあとを継いだんですが
やはり 我が子を 武士 にしたいと願う 相当な裕福な
商人などが 金を出して この 御家人株を買ったんです
勿論 町人の籍では 出来ないので 養子縁組とか の裏技を
使い でもこれは 違法行為 で 裏テクが横行したらしいです
それで 近親者もいなかった時 全くの 他人がそのあとを継ぐ
チャンスが出てくるんですね これが
御家人株の 売買の起りなんです。
しかし、 この 裏テクは 発覚すれば
死罪です 売ったほうも 買った方もです
かくも 命をかけてまで この御家人株の売買が行われたのは
この映画の様に 御家人の生活が いよいよ 窮迫したことと
普通の 町人には やはり 武士という 権威は
あこがれ だったのでしょう