片原饅頭

片原饅頭　かたわらまんじゅう

この饅頭の名前を聞いて覚えてる方は

古き良き前橋市を知ってる人でしょう

私が　昭和４３年生まれで　街中で育ったので

この旨い饅頭を知らない前橋市民はいなかったでしょう。

当時、私も子供ですから　いわゆる　おまんじゅうよりはケーキとか

チョコが好きでした　うちはおばあちゃんが厳しかったので

というか　べつに明治生まれの人でしたから　虫歯になるとか　偏食を

起こすとかそんなことではなく　外で出来あがったモノを食す習慣がなかっただけなんですが

６歳になって始めて給食で　パンを食べたくらい家の外のモノを

食べる機会がない子でした

そんな子供でしたが　伊香保や草津の温泉饅頭は甘いものを

好きな年頃でしたが　どうも好きにはられませんでした。

ただこの片原饅頭を除いては。、、

おばあちゃんの口癖でしたが

「名物にうまいもん無しとはよく言ったモンだけど　この饅頭だけは別だよ」

子供ながらに同感してました。

この饅頭は良くできていて　出来たてはやんわり食べれて

無添加なもんですから　６時間もすると固くなってきます

そこで好きだったのが炙って焼く　これが旨い　そして　　もう一度

蒸しても旨かった！！

旨かった　と書いたのは　もう２０年以上前に１６０年の歴史を閉じて

閉店してしまったから

けっしてお客が少なくなったのではなく　後継者が誰もいなく

秘伝の味を誰にも継がせることなく先代は亡くなったらしいんです

あれだけ繁盛していたみせなので諸説ありますが残念に思ってる市民は

沢山いるでしょう

よく　おばあちゃんのお使いで　子供のころ一人で贈答用に買いに行ったのを

よく覚えています。　

まず覚えてるのが「なんちゅう忙しさ！」

店員さんは清潔でてきぱきとこなしてました

あと、この店は　知的障害者の方々の雇用をいうのも力をいれていたらしく

店員の半分くらいは雇用してたと思います　社会的にもずいぶん先進な考えだったんだと

おもいます。　あと　忘れられないのが　パッケージングです　包装紙が当時子供

でしたが　これはいいデザインだと思ってました　つまり　見ればスグそれと解る

という事です。

そしたら　先日　お客様にその　片原饅頭を復刻した　饅頭を頂きました

ある　食品会社の社長さんがどうしても復刻したくて　最後の職人頭に頼み込んで

製品化してたんだそうです知らなかった

味は昔を知る人からはいまいちとか言われるらしいですが

わたしはこれを食べた時、今は亡き　おばあちゃんの　思い出

がどっと押し寄せてくるようで感激しましたた

味覚から思い出す事なんてめったあるもんじゃないですから

いいもん食わしてもらいました。